住宅2018年10月22日
地震の被害を軽くする家の構造=耐震構造・制震構造・免震構造の違いとは
住宅建築を考えた時に誰しも「地震に強い家」を考えるのではないでしょうか。
特に「東日本大震災」以降その思いはより一層強くなりました。
ハウスメーカーの営業マンも「うちは耐震等級3の建築なので阪神大震災レベルの地震でも壊れません」「うちは耐震構造と制震構造を併せて採用しているのでより安心です」「うちは免震構造なので地震の揺れを最小限にとどめます。家財の損傷も最小限にとどめられます」と熱心に説明してくれます。
説明を聞くとどれも地震に強く、どの構造も安心に思えてきますが、どのような構造の違いがあるのでしょうか。
耐震性にに対して、一般的な建築の構造形式には「耐震構造」「制震構造」「免震構造」があります。
【耐震構造】=地震の揺れに耐える構造
イラスト:ミサワホームHPより
強化した壁(耐力壁)や太く丈夫な柱や梁(はり)・筋かいや補強金物を用いて地震に耐えられる強度でつくられたもの
地震のエネルギーが直接建物に伝わるため、家具などの損傷を受けやすい
現在の新耐震基準では震度6強~7程度の地震の地震に対しても建物の構造部分の倒壊や
損壊で、人が下敷きになって命を落とすことのないことを目標としている。
- メリット:
- 壁や柱など建物自体の強度で地震のエネルギーを吸収する
- 建築価格が抑えられる
- 建てる場所や地盤に制限がない
- 工事が簡単
- メンテナンスの必要がない
- デメリット:
- 地震の強度によっては家にダメージが残る⇒修繕コストがかかる
【制震構造】=地震による振動を制御する構造
イラスト:ミサワホームHPより
建物に地震のエネルギーを吸収するダンパーなどの制震装置を設置し、建物に粘りを持たせ、地震による振動を抑えて建物の倒壊を防ぐ
耐震構造+制震構造とすることにより、より強固になる
- メリット:
- 構造が弱くても地震に対する強さを補強できる
- 地震の揺れを吸収する
- 耐震住宅に制震構造を導入できる
- デメリット:
- 導入する装置によりメンテナンスが必要になる
- 耐震構造より導入コストが高い
- 間取りなど制限される場合もある
【免震構造】=地震の揺れが直接建物に伝わらない
イラスト:ミサワホームHPより
建物と地面の間に積層ゴムなどの装置をいれることにより、建物と地面が絶縁して建物自体の揺れを抑え、家具の転倒も少なくなり室内での被害も減少する地震時の揺れを通常の5分の1から10分の1まで軽減することができるといわれている
- メリット:
- 地面と建物が絶縁しているので地震の衝撃を大きく軽減
- 家具や内装のダメージも大きく軽減
- デメリット:
- 設置にかかるコストが高い
- メンテナンスが必要⇒コストがかかる
・・・最後に「お得」情報
【建物構造と地震保険の関係】
建物構造の耐震性に対して、地震保険の保険料に割引が適用されます。
割引制度 | 割引条件 | 割引率 |
---|---|---|
建築年割引 | 1981年6月1日以降建築された住宅 | 10% |
耐震診断割引 | 1981年5月31日以前に建築され、耐震基準を満すと判断された住宅 | 10% |
免震建築割引 | 免震建築物(免震構造) | 50% |
耐震等級割引 | 耐震建築物(耐震構造) | 1級:10% 2級:30% 3級:50% |
火災保険・地震保険のコラム
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