知らないと損する!!住宅ローンの基本
住宅ローンの返済方法「元利均等返済」と「元金均等返済」とは?

住宅ローンの返済方法には毎月の返済額が一定となる「元利均等返済」と毎月の返済額のうち元金が一定となる「元金均等返済」という2種類があります。住宅ローンを利用する方の多くは「元利均等返済」を選んでいます。金融機関によっては元金均等返済を扱っていないところもありますが、まずはそれぞれの特徴や違い、メリット・デメリットを知りましょう。

まずはじめに

元利均等返済と元金均等返済の違いとメリットデメリット
元利均等返済 元金均等返済
返済額 毎月の返済額は一定で、その中で元金と利息の割合が決まる
⇒毎月、元金と利息の割合が変わる
毎月決まった元金に利息を支払っていく
⇒1回目の返済額が最も高く、徐々に返済額が減っていく
返済総額 元金均等返済にに比べ多くなる 元利均等返済に比べて少なくなる
メリット 返済額が一定なので、返済計画が立てやすい 毎月の返済が徐々に減るので、返済が楽になってくる
デメリット 返済初めのころは利息の占める割合が多く元金がなかなか減らない 初期の返済額が多い

どちらがお得?

3,000万円を金利1.3%で35年ローン(420回)を組んだ場合の比較 単位:円
  元利均等返済 元金均等返済
  毎月返済額 元金 利息 毎月返済額 元金 利息
12回目
(1年目)
88,944 57,121 31,823 102,642 71,428 31,214
60回目
(5年目)
88,944 60,168 28,776 98,979 71,428 27,551
120回
(10年目)
88,944 64,207 24,737 94,400 71,428 22,972
180回目
(15年目)
88,944 68,516 20,428 89,821 71,428 18,393
240回目
(20年目)
88,944 73,115 15,829 85,241 71,428 13,813
300回目
(25年目)
88,944 78,023 10,921 80,662 71,428 9,234
360回目
(30年目)
88,944 83,260 5,684 76,083 71,428 4,655
420回目
(35年目)
89,010
(返済額調整)
88,914
 
96
 
71,504
 
71,428
 
76
 
合計 37,340,073 30,000,000 7,340,073 36,828,001 30,000,000 6,828,001
差額 512,072

比較をしてみると返済総額は「元金均等返済」の方が512,072円少なくなります。
では「元金均等返済」の方が得だから~「元金均等返済」でローンを組もうと考えるのはキ・ケ・ンです。

その理由としては

  1. 返済開始から15年間は「元利均等返済」よりも毎月の返済額が多いこと
    ⇒子どもの教育費と重なって家計を圧迫してしまう危険性も・・・
  2. 住宅ローンの融資可能額は年収に占める返済負担率(年収に対する返済額の割合)で決まりますが、当初の返済額を基準に審査されるため、年収との割合によっては審査に通らないことも考えられます。

でも返済額が一定で返済計画の立てやすい「元利均等返済」は魅力だが「元金均等返済」の支払総額を見てしまうと損な気がする・・・

「元利均等返済」で住宅ローンを組んで利息を軽減する方法があります!!
それは繰上返済をすることです。

3,000万円を金利1.3%で35年ローン(420回)を「元利均等返済」で組んだ場合
  10年経過後と20年経過後に100万円づつ繰上返済した場合 繰上返済しなかった場合
  返済総額 元金 利息 返済総額 元金 金利
合計 36,787,746 30,000,000 6,787,746 37,340,073 30,000,000 7,340,073
差額 552,327
返済期間 392回=32年8か月 420回=35年
毎月いくら貯金したら10年ごと100万円お繰上返済資金が準備できる?
100万円÷120か月(10年)=およそ8,400円/月

「元利均等返済」で繰上返済することのメリット
1.利息総額が軽減するので返済総額が少なくなる
2.返済期間が短縮する
3.繰上返済の金額を上げれば更に利息軽減効果と期間短縮効果がある
「元利均等返済」で繰上返済することのデメリット
1.住宅ローンを組んだ時から計画的に繰上返済資金の貯金をする

まとめ

「元金均等返済」は当初の返済額は多くても返済総額を抑えることができますが、住宅ローンは30年・35年と長く続きます。住宅ローンを組む時は夫婦共働きだから「元金均等返済」でも余裕で返済できると思っても、子どもが生まれたなどの理由で妻が仕事を続けられなくなるなど、何らかの理由で世帯年収が減ってしまう可能性もあります。住宅ローンの返済が始まってから「失敗した!!」とならないために、どちらの返済方法で住宅ローンを組むかということは家族の構成やライフプラン、年収と借入額のバランスなど、様々な方向から入念に検討することが重要になってきます。
住宅購入に特化したファイナンシャルプランナーに「ファイナンシャル・プランニング」をしてもらい検討することも有益な方法です。

併せてお読みください
注文住宅失敗談!!にしない
『住宅購入における資金計画のコワ~イ落とし穴・・・住宅ローン』

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