住宅2020年6月16日
超簡単!間取りのポイント
間取りを考える上で重要なのが、1/3の法則です。
すまいの機能は大きく3つのゾーンに分けてみることができます。
第一のゾーンはリビング・ダイニング・畳スペースなどの共有部分である「パブリックゾーン」
第2のゾーンは夫婦の寝室・子ども部屋・両親の部屋などの個室部分である「プライベートゾーン」
第3のゾーンはキッチン・バスルーム・トイレ・ユーティリティなどその他の「サービスゾーン」
この3つのゾーンをブロックごとに配置していくことを「ゾーニング」といい、それぞれのゾーンが複雑に入り込まないようにすることが、基本的な考え方です。
更に、この3つのゾーンそれぞれが、占める広さの割合を3分の1ずつにすると、配置がきれいにまとまります。
家のプランを作るときに「どのゾーン」を「どこに配置」するか決めていき、主要なゾーンを家族の要望を反映させながら並べていきます。
家族がいつまでもコミュニケーションが取れるように、大切なLDKを充実させたいから、1日中日当たりの良い東南の角にしよう。
両親の部屋は出入りしやすい1階のLDKの並びに・・・とか。
大切な部屋から順番に「ゾーニング」していくと他のゾーンの配置が決めやすくなります。
ゾーニングは実際にプランを作ることではなく、全体的なイメージをつかみ、そこから設計士と相談しながら実際の間取り図がつくられていきます。
ゾーニングのイメージ
1階
2階
まず1階部分・2階部分を「平面の区分」でゾーン分けしていきますが、さらに重要なことは「立体」としてのゾーン分けです。
「住んでから間取りに失敗した!!」の上位が音の伝わり方です。
室内での足音や話し声、2階のトイレの排水音が気になる、LDKの上にフローリングの子ども部屋を造ったら、子どもが走り回ったり物を落としたりして1階に響いてうるさい。
キッチンの真上に家族の個室を造ったら食洗器の音が響くようで、電気料金の安い深夜に食洗器を使えないetc.
1階と2階の部屋や水回りの位置関係はよいか、生活音の伝わり方は大丈夫かチェックしましょう。
階段や子ども部屋の配置の位置、トイレや洗面所の位置を上下階でそろえることにより「音の問題」は解決します。
この「ゾーイング」を基に具体的な間取りを決めていきますが、そこでできた空きスペースを利用して収納スペースを増やしたり、吹き抜けにしたりという事も可能です。
ゾーニングと合わせて考えたいのが「動線」です。
「動線」とは、人の動きを線で結んだもので
炊事・洗濯・家事をする「家事動線」
家族の部屋とリビングや玄関を行き来する、出かける際の「通勤動線」
トイレや浴室に行くための「衛生動線」
お客様が移動する「来客動線」
などがあります。
これを図面化し、頻繁に動く部分を短くする、あまり通らないところは長くすると考えることを「動線計画」といいます。たとえば、炊事・洗濯・家事のできる場所の動線が短ければ、効率よく動けます。また自分の部屋から他の部屋を通らなければ玄関に行かれないなど、動線がよくないと暮らしにくい家になってしまいます。
「ゾーニング」と合わせて「動線」を考えることは「住みやすい家」を造るポイントになります。
間取りには、それぞれの家族の要望や希望など個性が出ます。また設計時の家族の状態と10年先、20年先は異なる状態になることも予測されます。子どもが独立して夫婦2人の生活でLDKが広すぎるように感じるかもしれません。子どももやがて結婚をし、孫も生まれることでしょう。家族が集まるスペースを充実させることで、親子3世代が集う「みんなの団らん」のスペースとなり得ます。
設計士と相談する上で重要なのは、ライフスタイルに合った間取りを打ち合わせることですが、「家族団らんスペース」を確保することが、本来の「家」のあるべき姿です。