住宅ローン控除受けられる!?
『外構工事費用は住宅ローンに組み込める?住宅ローン控除は受けられる?』

ほとんどの方が住宅ローンを組んで家を建てますが、家を建てる際にかかる様々な費用の中で、住宅ローンに組み込めない費用も発生します。
その一つに外構工事費用があげられます。なぜなら住宅ローンの資金使途は「住宅の建築費用である」ことから住宅の付随物である外構工事費用は当てはまらないことになります。ただし、これはあくまで原則です。また、住宅ローン控除も条件を満たせば受けることができます。
ここでは、住宅ローンに外構工事費用を組み込む方法と、住宅ローン控除を受ける条件を解説致します。

まず、注文住宅を建てる際にどのような費用がかかるか見てみましょう。

注文住宅を建てるためにかかる費用は大きく分けて3つ

本体工事費 建築費用のおよそ7割
  • ・建物本体を建てるための費用
付帯工事費 建築費用のおよそ2割
  • ・解体工事費用 ・造成工事費用 ・基礎補強工事費用 ・水道管/ガス管引き込み費用
  • ・インテリア/電設関連費用・外構(エクステリア)関連費用
諸費用・その他費用 建築費用のおよそ1割
  • 諸費用
    • ・登記費用 ・印紙代 ・住宅ローン手続き費用 ・つなぎ融資手続き費用
      ・火災/地震保険料 ・各種負担金
  • その他費用
    • ・仮住まい費用 ・引越し費用 ・地鎮祭/上棟式etc.祭典費用
      ・その他費用

たとえば、ハウスメーカー提示の本体価格2,100万円の家を建てるとします。
建築にかかる費用総額は
本体工事費2,100万円+付帯工事費600万円+諸費用・その他費用300万円=3,000万円
そして、ここに土地代がプラスされます。

次に住宅ローンの対象となる注文住宅の建築及び建築関連費用を見てみましょう

*2020年6月現在 住宅金融支援機構「フラット35」規定

*金融機関によってこの限りではありません

対象となる建築及び建築関連費用 確認書類
  • 外構工事の費用
  • 設計費用、工事監理費用
  • 敷地の測量、境界画定、整地、造成、地盤(地質)調査、地盤改良のための費用
  • 敷地内の既存家屋などの取壊し、除去費用
  • 住宅への据付け工事を伴う家具を購入する費用
  • 住宅の屋外、外壁、住宅用カーポートに固定して設置される太陽光発電設備の設備費用
請負契約書、売買契約書、注文書・注文請書
  • 住宅の敷地に水道管、下水道管を引くための費用(水道負担金など)、浄化槽設置費用
  • 太陽光発電設備の工事費負担金
  • 建築確認、中間検査、完了検査の申請費用
  • 適合証明検査費用
  • 住宅性能評価関係費用
  • 長期優良住宅の認定関係費用
  • 認定炭素住宅の認定関係費用
  • 建築物省エネ法に基づく評価、認定に係る費用
[施主が請求先に直接支払う場合]
申請書、請求書、領収書
[事業者が支払いを代行する場合]
請負契約書、売買契約書、注文書、注文請書
  • 土地購入に係る仲介手数料
契約書・請求書・領収書
  • 融資手数料
  • 金銭消費貸借契約証書に貼付する印紙代(施主負担分)
取扱金融機関で算出した書類
  • 請負契約書、売買契約書に貼付した印紙代(施主負担分)
    請負契約書、売買契約書
    • 火災保険料、地震保険料
    保険会社が発行した見積書
    • 登記費用(司法書士報酬、土地家屋調査士報酬)
    • 登記費用(登録免許税)
    司法書士、土地家屋調査士が発行した見積書
    • つなぎローンに関わる費用(金利、融資手数料など)
    取扱金融機関で算出した書類

    家具、家電等は住宅ローンの対象にはなりませんが、カーテン、エアコン、照明器具などの費用で建設する住宅の請負金額に含まれるものは対象になります。

    外構工事など自分で別業者に依頼する場合でも、確認書類で金額が確認できるときは対象となります。

    外構工事費用を住宅ローンに組み込むための条件と気をつけること

    注文住宅建築の中で外構工事は建築を請け負うハウスメーカーや工務店にお願いすることもできますが、自分で外構業者を探して工事依頼をすることもできます。また、外構工事は建物本体工事が終了してから行われますので、それまでにプランを決めて、外構業者と請負契約を結ぶことも可能です。
    しかし、外構工事費用を住宅ローンに組み込ませたい場合には注意が必要です。
    上記、住宅ローンの対象となる費用の外構工事の確認書類に「請負契約書」「売買契約書」「注文書」「注文請書」とありますが、住宅の施工を依頼したハウスメーカーや工務店にお願いする場合は請負契約書に外構工事費用として載ってきますので問題はありません。
    自分で外構業者に工事依頼をする際は、住宅ローンの申し込みをする際に確認資料がそろっている必要があります。住宅ローンの申し込みをして審査が通った後では住宅ローンに組み込むことができなくなります。
    金融機関によっては審査後も内容変更で可能となる場合もありますが、外構工事費用が多くなりすぎて自分の年収に対する融資可能額をオーバーしてしまい、融資がおりなくなってしまう危険性を伴いますので、どうしても自分で業者を探したい場合は住宅ローンの申込までにきちんとした資金計画のうえ、確認資料を揃えて提出をすることが重要となります。

    注:金融機関によっては外構工事費用を住宅ローンの融資対象としない、建築業者と外構業者が同一でないと住宅ローンの対象としない金融機関もありますので、必ず金融機関に確認してください。

    住宅ローン以外に外構工事費用に利用できるローンとして「リフォームローン」「フリーローン」があります。いずれも住宅ローンより高い金利となり返済期間も15年以内と短いものがほとんどです。そして住宅ローンを組んでいますので年収に占める返済負担率の関係でこれらのローンがおりない場合もあります。
    コラム冒頭で「住宅ローン控除も条件を満たせば受けることができます。」と書きましたが
    「リフォームローン」や「フリーローン」は「住宅ローン控除」の対象ではないため外構費用は「住宅ローン控除」の対象ではなくなります。

    「住宅ローン控除」の対象となる条件は?

    国税庁タックスアンサー(よくある質問と回答)より

    家屋と併せて同一の者から取得する門や塀等で、その取得等の対価の額が僅少と認められる場合には、その門や塀等の取得等の対価の額を家屋の取得等の対価の額に含めて差し支えありません。

    ―中略―

    通常、門、塀等の取得等の対価の額が、家屋そのものの取得等の対価の額と門、塀等の取得等の対価の額との合計額の10%に満たないといったような場合には、これに該当すると考えられます。

    住宅の施工を依頼したハウスメーカーや工務店に併せて外構工事をお願いし、なおかつ
    外構工事の費用が住宅の建築費用と外構工事費用を合わせて、その10%未満なら住宅ローン控除の対象となります。

    注:仲介手数料・登録免許税・不動産取得税は対価の額には含まれません。

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