マイホーム買いたいけど頭金を入れる?それとも入れない?

頭金とはマイホームを買うときに現金で出せるお金のことです。
「頭金を購入価格の2割以上入れないと銀行からお金借りられないんじゃない・・・?」
「頭金なしで買うのは不安・・・」
「頭金が貯まるのを待たないで、フルローンで借りて早くマイホームを買って定年までに返済した方がいいんじゃない!」
さて、皆さんはどのように考えますか?

以前は2割以上の頭金を準備できないと住宅ローンを組むことができませんでしたが、現在では頭金なしでフルローンを組むことは可能です。
ただし、頭金をいれる割合により、住宅ローン金利や保証料が高くなったりする金融機関もあります。
そして頭金が貯まるまで住宅購入を待つか待たないかは、住宅購入額の年収とのバランス・今後のライフイベントによって考え方は様々になってきます。

頭金を入れる効果

①頭金を多く入れるとその分、借入金額が減るので月々の返済額が少なくて済みます。

3,500万円の住宅を購入 35年固定金利1.27% 35年ローンを組んだ場合

頭金 借入額 毎月返済額
0万円 3,500万円 103,265円
300万円 3,200万円 94,413円
500万円 3,000万円 88,512円

②年収に対する金融機関に提示された融資可能額より購入希望物件価格が高い場合に頭金を足すので購入可能な物件価格が上がる

借入可能額が3,500万円の場合

頭金 購入可能な物件価格
0万円 3,500万円
300万円 3,800万円
500万円 4,000万円

「頭金の効果」は上記のとおりですが、すでに頭金として出せる貯金がある、または親からの資金援助が受けられる場合を除いては頭金をためるところから始めることになります。

フルローンで住宅購入した場合と頭金をためてから住宅を購入した場合

30歳男性A フルローン(頭金なし) 購入物件価格3,500万円 35年固定金利1.27%

ローン開始 終了年齢 借入額 月返済額 ローン返済額
30歳 65歳 3,500万円 103,265円 43,371,352円

30歳男性B 5年間で頭金300万円貯める(300万円÷5年÷12か月=月貯蓄5万円)
家賃65,000円×12か月×5年=390万円 購入物件価格3,500万円 35年固定金利1.27%

①頭金貯金 ②家賃 ローン開始 終了年齢 借入金 月返済額 ③ローン返済総額 住居関連費総額①+②+③
300万円 390万円 35歳 70歳 3,200万円 94,413円 39,653,809円 46,553,809円

*男性Aと男性Bを比べてみましょう。
①フルローンの男性Aは月返済10万円程度で65歳には住宅ローン完済です。
②男性Bは頭金が貯まるまでの5年間、毎月11万5千円の住居関連費(頭金貯蓄額+家賃)が必要であり、ローン完済年齢も70歳となり、なおかつローン返済額を大きく上回る住居関連費総額となってしまいました。

*次に男性Aと男性Bの繰上返済計画から比べてみましょう。
⇒繰上返済資金準備は住宅ローンが始まった時から、毎月貯蓄するものとして計算

60歳
ローン残高
60歳で完済するには
繰上返済貯蓄/月
65歳
ローン残高
65歳で完済するには
繰上返済貯蓄/月
A 6,000,030円 およそ16,700円 0円 完済
B 10,634,572円 およそ35,450円 5,486,039円 およそ15,240円

いかがですか。
比較してみると、頭金をためることに固執しなくてもいいように思えます。
「それでは、フルローンで今すぐ買いましょう!!」
それはチョット待ってください。
その前にチェックするべきことがいくつかあります。

チェックするべきこと

  • 住宅ローンには年収に対する返済負担率から割り出される金融機関からの融資可能額が決められています。融資可能額によっては頭金をいれないと購入希望物件が買えないこともあります。
  • 住宅購入費用は住宅購入価格だけではありません。購入に際して住宅ローンの保証料・事務手数料・登記費用(登録免許税)・司法書士さんへの報酬・火災保険料・引越し代・家具や家電・カーテンの取付などの諸費用が掛かってきます。この中には諸費用分として住宅ローンと併せて借りられる金融機関もたくさんありますが、「融資可能額=物件価格+諸費用分」となりますので、物件に充てられる金額が低くなり物件購入価格に影響を及ぼす可能性もありますので、諸費用分ぐらいの貯蓄は欲しいところです。
  • 住宅を購入後に不動産取得税や固定資産税などが徴収されますので、貯蓄0円は危険です。
  • 「借りることより返すことから考える」ことが鉄則です。
    金融機関から提示される融資可能額は税込み年収から算出されますが家族の生活は手取り収入で賄われています。住宅購入を考える今だからこそ、子供の人数が多い(教育費が家計を圧迫する)・将来親の面倒を見なければならないといった家計の状況を把握することが重要です。
  • 住宅ローン返済期間は最長35年と長いので、かさむ教育費や職場環境の変化も考えられます。住宅購入に踏み切る際は専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談し、ファイナンシャルプランニング(一生涯の家計の収支を数値化してみる)を作成してもらい、安全に返せる金額と住宅ローン完済後に貯蓄がいくらあるか検証してもらいましょう。ファイナンシャルプランニングをすることによって、自分に合った適正な頭金の額も算出されます。
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