『建てた後に後悔したくない!!注文住宅失敗談に学ぶ』後悔しないためのポイント
その3~間取りにまつわる失敗談~

マイホーム購入は人生で一番高いお買物といわれています。「誰しも安心して」家の購入をしたいものですが、ほとんどの方が初めてのマイホーム購入で、実際に住んでみて初めて「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」と思うのではないでしょうか。
ここでは、注文住宅を建てたかたの「お金にまつわる失敗談」「土地選びにまつわる失敗談」「間取りにまつわる失敗談」「外構にまつわる失敗談」と後悔しないためのポイントをシリーズ4回にわたって学んでいきたいと思います。ここでは「その3~間取りにまつわる失敗談~」をお届けします。

間取りに関しては、住んだ人それぞれの生活スタイルが大きく影響してくることなので、失敗だったと思う声は、大なり小なり数多く寄せられています。
「部屋の広さやレイアウト・ベランダの大きさ・水回りの位置」「物が入りきらない・収納が使いにくい」「コンセントやスイッチの数や位置」「生活動線の配慮」「窓の位置や数・大きさ」について具体的な「失敗例とどうすれば良かったか?」について下記一覧にまとめてみました。

部屋の広さやレイアウト・ベランダの大きさ・水回りの位置

開放感を求めてリビングを吹き抜けにしたが、冷暖房効率が悪く音も響いてしまうし、2階の面積が狭くなった。
1階と2階の吹き抜けは広々見えて見晴らしも良いが、2階の面積が狭くなったり、1階の話し声など2階まで音が響いたり、冷暖房が効きにくくなるといったデメリットがある。

対策:シーリングファンをつけるなどして冷暖房効率を上げる、デメリットを理解して吹き抜けを設けることが必要。響く音や面積の問題を解決し開放感を求めるのであれば、吹き抜けではなく引戸やロールカーテンなどで階段スペースと部屋を区切ったリビング階段にすることも有効。

リビング階段にしたが暮らし方に窮屈さを感じる、冷暖房効率が悪い。
2階に来客があった際に、片付いていないリビングを通っていただかないと2階に上がれない、また、リビングに来客があった際に、パジャマなどで1階に降りられない、といった不都合が発生する。さらに料理の匂いが2階にまで充満する・1階の物音が響く・冷暖房効率が悪く電気代がかかるなどがデメリット。

対策:引戸やロールカーテンなどを設置することにより、匂い・音・熱の問題を軽減することができる。

キッチンに目隠しがなくリビングから丸見えになってしまう。
ショールーム(モデルハウス)を見学し、その開放感に憧れて人気のオープンキッチンにしたが、実際の生活では常にきれいに保てるわけではなく生活感が丸見えになり、オープンキッチンの良さが半減してしまう。

対策:カウンターに高さをつけシンクの中やコンロの上のお鍋などが見えないようにする。扉付きの大きな収納を設け、隠せるようにする。

リビングの大きさと家具の大きさが合わず移動しにくい。
ショールームではさほど大きく感じなかった家具も、実際に配置してみると思いのほか場所をとってしまうもの。家がほぼできあがってから好みの家具をそろえたが、実際に配置してみるとリビングの広さに対して家具が大きく、移動スペースが狭くなってしまい生活しづらくなったという失敗は多い。

対策:リビングにはどの様な家具を置き、どの程度の大きさが適正なのか、間取りを決めるときに一緒に考えておく(間取り図の中に書き込む)ことが必要。

ベランダが思ったより狭く、布団や洗濯物を干すと通りにくい。
家を建てたばかりのころは、子どもも小さかったりで家族全員の洗濯物と布団を干しても狭く感じなかったが、子供の成長とともに洗濯ものの大きさや量が増え、洗濯ものや布団が欲しきれなくなってきた。特に中高生は部活動(運動)が始まると洗濯ものの量が数倍になり、所狭しと洗濯物や布団を干すことになる。

対策:将来を見据えたサイズ感をもってスペースを確保する。雨が降った時にも洗濯物を干せる場所や乾燥器の利用なども間取りを決める時に併せて考えておく。

2階に設けた子ども部屋・トイレがリビングの上にありうるさい。夜間にキッチンで作業をしている音が2階に響く。
リビングの真上に子ども部屋があると、階下のリビングに響く子どもの元気な足音が気になる。さらに、2階のトイレがリビングの上にあると、特に夜間は排水の音が気になる。また、キッチンや洗濯機置き場の真上に寝室を設けてしまうと、キッチンの後片付けや、夜間の洗濯機の音が家族の睡眠の妨げになる。

対策:1階と2階のトイレの位置を揃える、キッチンや洗濯機置き場の上に寝室を設けない、子ども部屋もできるだけ階下へ響く音の影響を抑えられる場所に設けるなどレイアウトの工夫が必要。

脱衣所と洗面所を分ければよかった。
脱衣所と洗面所が一緒だと、夫婦と小さい子供だけの時はあまり気にならないが、子どもが大きくなったり来客時には誰かが入浴中は洗面所を利用するのがはばかられる。

対策:洗面所と脱衣所は分けて設けるよう間取りを考える。

物が入りきらない・収納が使いにくい

玄関周りにコートを掛ける場所がない。玄関周りにゴルフや釣りなどの趣味の道具や子どものボールなどの外遊び道具をしまえる場所があればよかった。
やや広めの玄関なので、収納は家族の靴がすっきり収まるシューズボックスで十分だと思った。いざ生活してみると、帰宅時や来客時に花粉やウイルスのついたコートを掛ける場所のない不便さを感じ、さらに玄関に雑然と置かれた折りたたんだベビーカーや子どもの外遊び用の遊具、ゴルフバックを見るたびにシューズクロークを設置しなかったことを後悔している。

対策:玄関側にもある程度の収納スペースを設けておくと良い。日常的に履かない靴を収納したり、ベビーカーや子どもの外遊び用の遊具、ゴルフバック、使用後すぐにしまえないコートや濡れた傘や長靴・レインコートなどを収納しておける場所を確保しておくと使いやすく、玄関がすっきりと使用できる。また来客用のコート掛けや傘立てなどを用意すると玄関の雰囲気もグレードアップする。

シューズクローゼットが大きすぎて玄関が狭い。
子どもの靴のサイズも年々大きくなり、今後、家族の靴が増えることも想定し大きめのシューズクローゼットにしたが玄関の広さに対して大きすぎてしまい、傘立ての置き場にも困り、さらにコートを脱ぎ着したり玄関での身動きがとりづらい。

対策:玄関のシューズクローゼットには日常的に使用している家族の靴やサンダルのみを収納できるようにし、容量の大きいシューズクロークを設置することによって解決できる。玄関収納には匂いの発生源となる物があるため換気口や窓をつけるなど、対策は忘れずに。

リビングの収納が少なくて片付かない。突然の来客時に散らかっていて困る。
リビングは家族の憩いの場所であるものの、読みかけの雑誌や子供のおもちゃなどが散らかりやすい場所でもあるため、来客時など片付ける場所がなく生活感が丸見えになってしまう。

対策:使い終えたらすぐにしまえるよう収納場所を設ける。あらかじめ子どものプレイスペースを設けておく。リビングに隣接した部屋を設けすぐに片付けられるようにする、もしくは来客スペースにするなどの工夫をすると良い。

キッチンパントリーが小さく(または奥行きがありすぎ)保存食品などの収納に困る。使いずらい。
パントリーは災害時に備え食料品や水の備蓄をしたり、乾物などのまとめ買いをしたりしたものをキープできるとしてパントリーを設けたが、サイズが小さく、思った以上に収納できない、奥行きがありすぎて奥には何がしまってあるのかすぐに見えないなど使いづらい。

対策:全体の大きさはどうか、棚は可動式なのか、奥行きのサイズは日常的に使いやすいか、収納の仕方も考慮して十分に吟味をする。

クローゼットのサイズが微妙に使いずらい。
奥行きが浅く、ボリュームのあるコートが入らない・パイプの高さが低くてロングコートはかけられない・枕棚の高さが高すぎて踏み台を使わないとバッグや帽子の出し入れができない等、クローゼットの使い勝手が悪い。また、建築当初は子どもが小さかったためにこどもサイズのクローゼットにしてしまったため、子供の成長に合わせてクローゼットを作り変えることになった。

対策:使いやすいクローゼットにするには収納したい洋服の枚数や長さに合わせてパイプの高さを決める。クローゼットそのものは造りこまない。あとはバッグや帽子などの小物、Tシャツや下着類などクローゼット内に収納できるBOXや棚を組み合わせて自分にとって使い勝手の良いクローゼットに育てていく。重要なことは、洋服や小物を傷ませないために湿気対策・防虫対策を忘れずに。

コンセントやスイッチの数・位置

照明の場所が悪い、照明が暗い。スイッチの場所が適切でない。
背の高い家具を置いたらスイッチが隠れてしまった。リビングに入ろうとドアを開けたらドアでスイッチが隠れてしまう。夜間、帰宅時に玄関を開けてもスイッチの場所が遠く不便だ。これもよくある失敗談。

対策:まずは、朝起きた時から夜寝るまでに、いつ・どのタイミングで・どこの電気をつけ・消すのか日常の生活をシミュレーションしてみる。そこからリビングのスイッチや階段のスイッチの場所や個数(階段だったら階下と階上の2箇所など)、寝室は寝ながら操作できるようにリモコンにするなど十分に家族で検討をすると良い。

コンセントの数が足りない。位置が悪い。
コンセントの数は十分だと思ったが実際に住んでみたら、数が足りなかったり、欲しい場所にコンセントがなかった。

対策:部屋の間取り図の中に置きたい家具や電化製品の配置を書き込む。たとえば、キッチンで使用する家電は冷蔵庫・炊飯器・電子レンジのコンセントは通常差し込んだままなので、その他に使うコーヒーメーカー・ジューサーetc.使うと思われる家電をすべて書き出す。その他、リビングに在宅ワークのコーナーを設ける場合には使用するOA機器や携帯充電器等も忘れずに書き出す。あると便利なのがテーブル下の床用コンセント。ホットプレートや卓上IHコンロを使用する時には重宝する。
書き込んだ間取り図を基に、設計士とコンセントの数や位置等を相談する。

生活動線の配慮
「生活動線」とは、人の動きを線で結んだもので
*炊事・洗濯・家事をする「家事動線」
*家族の部屋とリビングや玄関を行き来する、出かける際の「通勤動線」
*トイレや浴室に行くための「衛生動線」
*お客様が移動する「来客動線」
がある。

洗濯機は1階。物干し場(ベランダ等)は2階。1日に何度も洗濯物をもって階段の上り下りをしなくてはならない。
1階にキッチン、その側にランドリールーム等の家事室を設ける間取りも台所仕事をしながら洗濯など他の家事ができ人気がある。一方、洗い上がった洗濯物の乾燥の仕方によっては不都合が生じる。洗い上がった洗濯物を乾燥機にかける⇒アイロンをかける⇒仕上がった洗濯物の仕分けをする場合は家事動線が短く好都合だが、洗い上がった洗濯物を日当たりのよい2階のベランダ等に外干しして乾燥させる場合には、洗濯⇒2階に干す⇒取り込んで1階の家事室でアイロンをかける⇒仕上がった洗濯物の仕分けをすることになり家事動線が長く不都合が生じる。

対策:全自動洗濯機の利点を生かし、家事室を1階にこだわらず2階に設ける間取りも検討する。

玄関からリビングやトイレ・バスルームが丸見え。
家族の生活だけならリビング・トイレ・バスルームが玄関に面していると便利ではあるが、玄関を開けただけで外から家の中の様子が丸見えになってしまうことはデメリット。

対策:生活上の利便性を重要視しつつ、外からの視線を遮る間取りの工夫が必要。

トイレがリビングに近く使いにくい。
音や匂いが気になって使いづらい。特に来客時は家族・来客とも双方が気をつかう。

対策:朝の通勤・通学前の家族のトイレ利用にも配慮して、トイレのレイアウトは慎重に考える。

窓の位置や数・大きさ

窓を開けたら、お隣さんと目が合った。浴室の窓を曇りガラスにしたが、夜、入浴時に電気をつけるとうっすらシルエットが見える。
室内の換気や季節によっては窓を明け放して外気を取り入れたいもの。窓を開けることによって隣どうしのプライバシーが保たれずストレスになる。夜、電気をつけた浴室を外から見てみると、思っている以上にシルエットが見える。

対策:設計の段階でとなりの窓の位置や距離を確認し、窓どうしが向かい合わせにならない様、取付ける窓の大きさや位置を決める。浴室は、使用しないときや掃除のときには窓を開け放して換気をしたいが、入浴時はシルエットが浮かび上がるなど気にしないで安心して入浴できるよう稼働ルーパーなどで目隠しをする。

窓が大きすぎる。反対に少なすぎる。
明るい部屋にしたいと思い窓の面積を大きくとったが、壁が少なく家具の置き場に困った。外気温が伝わり夏は暑く冬は寒い。反対に窓が少ないと閉塞感を感じるといったデメリットもある。

対策:「採光」「断熱」「気密性」「デザイン」「防犯」といった重要な部分を担っているパーツが窓である。モデルハウスの中には庭に面して一面が窓となっている設計も見かけるが、そこには「断熱性」「気密性」に優れた高性能な最新の窓が採用されている。窓の大きさやデザインなど希望を伝えながら担当の設計士と十分に打ち合わせて決めたい。

玄関が暗い。
玄関に窓を設けなかったために昼間でも真っ暗で電気をつけなければ靴も履けない。

対策:スリット窓のある玄関扉をつける。玄関扉の脇に大きな窓をつける=防犯対策も忘れずに。

後悔をしないための一番重要な対策は?
*リビングやパーソナルスペースなど、どの様な暮らしをしたいか、反対にしたくないのか家族の希望・要望を十分に話し合う。
*家族の希望・要望を基にスペースごとに必要な家具や家電等を書き出す。
*おおよその間取り図を書き、家具・家電などもその中に配置し書き込む。
*間取り図を基に1日の生活をシミュレーションしながらコンセントやスイッチの位置や数を考える。
上記を基に設計士・インテリアコーディネーターなどプロと家族の希望・要望を共有し、予算も考慮して現実的な形で最良の提案をしてもらう。

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