【借入期間中返済額が変わらない「全期間固定金利型住宅ローン=フラット」と「民間金融機関住宅ローン」の違い】

住宅ローンは最長35年という長い期間返済が続きます(フラットにおいては最長50年)。住宅ローンの借入先は大きく分けて2つ。「住宅金融支援機構(民間金融機関と提携)」と「民間金融機関」です。どちらで借入れするか迷うところですが、金利の種類や審査基準などの違いを知って検討することをお勧めします。

フラットの特徴は

借入期間中返済額が変わらない全期間固定金利型の住宅ローンです。
住宅金融支援機構が原則として直接融資はせず、民間金融機関と提携し民間金融機関を通して融資をします。フラットの仕組みは、民間の金融機関が住宅ローン利用者に資金を貸し出し、その貸付債権を住宅金融支援機構が買取り証券化して市場に流通させる【買取型】と民間の金融機関が証券化した住宅ローン貸付債権を住宅金融支援機構が債務保証する【保証型】があります。そのことにより住宅ローン利用者の返済滞納や金利上昇による金融機関の損失といったリスクをなくしています。
借入金利や事務手数料は取扱金融機関によって異なります。
国土交通省所管の独立行政法人で災害復興などの場合、例外的に直接融資を行ないます。

民間金融機関住宅ローンの特徴

民間金融機関が独自に商品開発をし融資を行います。
利用条件や金利は金融機関によって異なります。

フラットと民間金融機関住宅ローンの比較
住宅金融支援機構
フラット
民間金融機関の住宅ローン
注:金融機関によって利用条件は異なる
特徴
  • 返済額が確定できる
  • 金利が低い
  • 金利タイプが選べる
取扱金融機関 住宅金融支援機構と提携する全国の銀行・信用金庫・モーゲージバンクetc. 銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・JA・生命保険会社・ノンバンクetc.
申込み要件
  • 申込時の年齢が満70歳未満
  • 日本国籍、永住許可を受けている、または特別永住者
    ※転職間もない方、「派遣社員、自営業者、パート、アルバイト、年金生活者も借入可納
    ※最低年収の要件はない
  • 申込時の年齢が満71歳未満
  • 原則日本国籍、永住許可を受けている
  • 団体信用生命保険に加入
  • 保証会社の保証が受けられる
  • 安定した収入がある
  • 最低勤続年数などの基準がある
  • 最低年収の基準がある
資金使途
  • 本人または親族居住用の新築住宅の建設費用および購入費用または中古住宅の購入費用
  • 住宅購入に伴う諸費用
    ※セカンドハウスも借入対象
  • 本人居住用の土地、住宅の購入および新築、増築、改築、底地の買取資金
  • 住宅購入に伴う諸費用
借入対象となる住宅の条件
  • 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅
    *フラット50は「長期優良住宅」であること
  • 一戸建て、連続建て、重ね建ての場合は70㎡以上
  • マンションなど共同建ての場合は30㎡以上
    ※借地権付き住宅も借入可納
  • 建築基準法などの法律に基づいて建てられた住宅
    ※借地権付の住宅などは借入が難しい
借入金額
  • 100万円以上8,000万円以下
  • 50万円以上1億円以下
借入期間
  • 15年~50年
  • 60歳以上の場合は10年以上
    ※完済時年齢80歳
  • 1年~35年
    ※ほとんどの金融機関で完済時年齢80歳
審査基準
(返済比率)
  • 年収=400万円未満
       30%以下
  • 年収=400万円以上
       35%以下
    ※自動車ローンなど借入がある場合はその返済額も合わせて計算される
  • 25%~35%以下
    ※年収により基準が決められている
融資条件
(団体信用生命保険)
  • 加入は任意
  • 保険料は金利に含まれている
    *加入しない場合は-2%金利が低くなる
  • 加入できることが融資条件
    *一部金融機関は任意
  • 体況上問題のある場合は、引受基準緩和型の団体信用生命保険に加入できれば融資可能
融資条件
(保証料)
不要 保証会社の保証が受けられることが融資条件
*そのための保証料がかかる
*金融機関の金利タイプによっては融資手数料として支払う
*金利タイプ、返済期間によって金額は変わる
 払い方は「一括前払」「金利上乗せ」
*一部金融機関は保証会社を使わないため不要
返済方法
  • 元利均等毎月払い、元金均等毎月払いから選択できる
  • 6か月ごとのボーナス払い併用
  • 元利均等毎月払い、元金均等毎月払いから選択できる
  • 6か月ごとのボーナス払い併用
金利タイプ
  • 全期間固定金利型
      フラット20
      フラット35
      フラット50
  • 変動金利選択型
  • 固定期間選択型
  • 全期間固定金利型
事務手数料 定額方式or定率方式 定額方式
*一部金融機関は融資額に対して定率方式

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